椿のブログ

問題を解くのが趣味の人。実用性はそっちのけでまったり考えるのが好きです。

USMLE step1 Chapter2 2.糖代謝と脂肪の代謝

<問題>※一部改変

What intermediate in a metabolic process inhibits the rete-limiting enzyme of glycolysis and activates the rate-limiting enzyme of fattey acid synthesis?

 

解糖系の律速酵素を阻害し、脂肪酸合成の律速酵素を活性化する働きを持った、代謝中間産物は何か?

 

いざ、シンキングタイム…!

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さて、最初の問題です。

本問はタイトルにもある通り、USMLE step1のChapter2 Biochemistryより。

 

まずは解答するための考え方から。

解糖系の律速段階酵素脂肪酸合成の律速段階酵素なんて覚えてないけど…と思っても何とか解けます。ただ、解糖系と脂肪酸合成に関わる主な代謝産物は覚えてないといけませんが…でも今回の解答になる中間産物は有名ですよ!

そう、解糖系におけるクエン酸回路(TCAサイクルとも)と脂肪酸合成経路に共通する代謝産物といえば…クエン酸です。

したがって今回の解答はクエン酸となります。

 

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ではここからが本番。本問についてもう少し詳しく考えていきます。

解糖系とはグルコースを分解してエネルギーを取り出す代謝経路。脂肪酸合成とは代謝産物を脂肪酸に合成しなおしてエネルギーを蓄える経路です。逆に脂肪酸を分解すればエネルギーを取り出すことができます。

そしてその分解や合成を進めるうえで必要となるのが酵素です。その中でも、分解や合成のスピードを大きく左右する酵素のことを律速酵素と言います。この律速酵素のおかげでエネルギーの量をいい感じに微調整することができるのです。

では問題に戻って、今回聞かれているのは「解糖系の律速酵素を阻害し、脂肪酸合成の律速酵素を活性化する働きを持った、代謝中間産物」です。つまり、解糖系をお休みモードにし、脂肪酸合成をたくさんする=エネルギーを蓄える方向にもっていく代謝中間産物は何かと問われています。

解糖系をお休みさせるというとは解糖系の結果合成される代謝産物が余っている状態ということです。また、脂肪酸合成をたくさんする状況とは脂肪酸を合成する材料がたくさん余っているということです。

以上のことから考えると、解糖系の代謝産物であると同時に脂肪酸合成の材料である物質が解答になると考えられます。

気になる方はぜび「脂肪酸 代謝」で検索してみてください。解糖系と脂肪酸合成が一緒に載っている画像が出てきたらビンゴです。共通する代謝産物はクエン酸しかないはずですよ。

 

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気になる方のために。

本問で言われている、解糖系の律速段階酵素はホスホフルクトキナーゼ、脂肪酸合成の律速段階酵素はアセチルCoAカルボキシラーゼのことです。

 

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今回のTipsは

「解糖系のクエン酸回路と脂肪酸合成経路の共通代謝産物はクエン酸

でした。

 

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* words bank*

intermediate 中間の

rete-limiting 律速

enzyme 酵素

glycolysis 解糖系

fatty acid synthesis 脂肪酸合成

 

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こんはんは、椿です。

本問は実際は解糖系のクエン酸回路の部分の図があり、中間産物の部分にアルファベットがふってあって、その中から答えを選ぶ形式でした。

図を載せていいものかわからず改変という形で載せさせていただきました。

三大栄養素代謝経路がばっちり頭に入っている人は簡単だったのかもしれませんが、そんなものすっぽり抜け落ちてしまった私にとってはチンプンカンプンでした…。

 

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この記事は実際の問題をもとに、椿本人が勝手に解釈し、自分なりに解説を加えたものです。したがって正確性に欠けますし、参考程度に見ていただけたら幸いです。

誤字脱字、間違いなどありましたら遠慮なくコメントいただけたらと思います。

同時にこのような考え方はどうか、だとか、それは間違った解釈じゃないかな、などの議論は大歓迎です。

どうぞ以上のことを了解の上、暇つぶし程度に楽しんでいただけたらと思います。

 

ではでは。